調査の背景


1998年12月のHa NoiにおけるASEAN首脳会議のHanoi Plan of Actionで提唱されたインドシナ地域の「西東回廊」は、ASEAN加盟国間の発展段階のギャップを縮小し、地域における貧困と社会・経済的格差を減少させることを目指すものです。この構想に基づき、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムのいわゆるCLMV諸国とその間に位置するタイの5カ国の経済連携の強化と発展を現実のものとするためには、とりわけ各国における地方の経済状態の改善を通じた社会の安定と農村の生活水準改善が欠かせません。

近年、こうした農村の職業機会創出と生活水準改善の手法として、タイのOTOP (One Tambon One Product:一村一品)運動や、ベトナムの工芸村への取り組みなどの伝統的工芸品産業振興が注目されています。こうした各国の取り組みの連携を深め、西東回廊における観光資源を開発して観光客を呼び込み、工芸品産業を盛り上げて回廊沿いの地方の伝統技術を保存し、雇用機会を創出できれば、当該地域の安定に大きく貢献することができるのではないでしょうか。

地域全体で回廊地域の観光産業と工芸品産業の融合を進めていくためには、先行する取り組みをケーススタディーとして取り上げ、地域全体に応用できるモデルを提唱することが有効です。 そこで本調査では、西東回廊全体のモデルとなりうる先行事例として、ベトナムの特定の地域をとりあげ、

などについてフィージビリティースタディーを行いました。西東回廊諸国に応用度の高いモデルをまとめて、共有化をすすめていくことにより、当該地域の観光振興と工芸品産業開発の実現に寄与することを目指しています。