活動内容

マレーシア日本国際工科院(MJIIT)関連事業

期間 : 2010年9月 ~ 2018年11月

発注者 : 独立行政法人国際協力機構(JICA)・マレーシア政府(マレーシア工科大学)

マレーシア日本国際工科院(Malaysia-Japan International Institute of Technology、以下MJIIT)は、1982年から開始された「東方政策」の集大成として、マレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia 、以下 UTM)のクアラルンプールキャンパス内に設立された学術機関です。2010年4月の日本・マレーシア首脳間の合意を踏まえ、2010年5月にマレーシア政府により設立が決定され、2011年9月に開校しました。日本政府はその設立を支援して、円借款を供与しています。マレーシアの学習成果基盤型教育と日本型の工学系教育手法を融合し、持続的な経済発展を支える優秀な人材の育成が目指されています。アジアシードは本事業において円借款コンサルタントの指名を受け、円借款事業の全般管理を支援してきました。

1) マレーシア日本国際工科院整備事業準備調査

期間:2010年9月~2011年2月
発注者:国際協力機構

円借款事業形成のための準備調査を実施しました。主な調査事項は以下の通りです。

  • マレーシアにおける高等教育セクター(特に工学系)の現状と課題及び産業との関係性
  • マレーシアの産業動向と高度人材の就労状況
  • マレーシアの国家開発計画及びUTMの大学整備計画における優先分野の妥当性
  • MJIIT設置によるマレーシアの産業への貢献可能性
  • 他ドナー及び日本によるマレーシアの高等教育セクターに対する支援状況

2) マレーシア日本国際工科院教員派遣・留学生支援業務

期間:2011年7月~2012年12月
発注者:国際協力機構

日本とマレーシアの間の人的交流促進はもとより、継続的な研究開発(R&D)活動の実施促進や若手研究者を中心とするR&D能力の向上を目指し、日本人教員の派遣スキームとMJIIT学生の本邦留学のスキーム確立、及び実際の渡航手続きを支援しました。

3) マレーシア日本国際工科院整備事業コンサルティングサービス業務

期間:2013年10月~2018年11月
発注者:マレーシア政府(マレーシア工科大学)

質の高い大学運営や教育カリキュラム設計、産学連携を支援するため、本邦大学からの教員派遣支援、本邦大学・研究所との共同指導プログラムの実施支援および本邦企業・研究機関におけるインターンシップ研修支援、ならびに機材調達支援を含めた円借款事業の全般管理を支援しました。
MJIITの共同指導プログラムでは、修士・博士課程学生の研究能力向上を目指し、2018年9月までに延べ159名が本邦大学院への短期留学を行いました。また、12週間の企業研修や本邦企業・研究機関でのインターンシップの機会を通した技術者倫理教育も本事業の特徴です。これまでに147名のMJIITの学生が本邦企業・研究所・大学等でインターンシップ研修に参加し、職業倫理を学ぶとともに実践的な専門知識や研究スキルを習得しました。

Asia SEEDはマレーシア政府並びに教育・研究機関との強力なネットワークを生かし、知識集約的な生産拠点としてのMJIITの整備を支援し、同国の国際競争力の強化に加え、日本の産業界に対しても日本型工学教育を受けた優秀な人材の確保に貢献しています。

<参考資料>
マレーシア日本国際工科院(https://mjiit.utm.my/jp/